このごろの「中田宏」は背広の下に「正義」の他に「現実」も着ている

株式会社ハングリータイガー
取締役相談役 中田 有紀子
 
 中田宏さんが政治の勉強をしたのは「松下政経塾」だということはよく知られています。
松下政経塾は徹底的に“現場主義”だそうです。中田さんが勉強のテーマに「ゴミ問題」を選んだとたんに、ゴミ処理場という現場に放り込まれ、そこで現実に収集されたゴミを片付けていく作業をさせられたそうです。ゴミ、ほとんどが汚物です。ゴーグルをかけていてもその汚物のしぶきが目に入り、ひどい目の病になったり、吐きそうになったりという悪戦苦闘の日々、それも一日二日の研修ではなく、作業員という位置づけで働くのだそうです。
 
 その体験をもとに、横浜市長になった時は勇んでゴミ問題に挑戦。若かったのです。「正義」が背広を着ているような若者が世の中の根回しもそれこそ忖度も知らずに、まっしぐら。横浜市のゴミ処理場は7か所から3か所まで減らすことが出来たのですが、その権益を持っていたのが少々怖い人々だったらしい。
その結果、フェイクニュースならぬ、フェイクスキャンダルにまみれたといわれ、裁判はすべて勝訴しても、悪いイメージはいつまでもついて回る。
 
 その後も“理想”の政治を求め、“理想”の党を立ち上げ、という変転を繰り返してきたのですが、世のなか、理想は現実ではないのです。変転の結果、理想はあくまでも求めるものだけれど、決して実現できないものという現実を学んだのだと思います。
 
 「正義」が衣を着ていた若者は五十歳になりました。理想は高く置いておくけれど、現実のなかを歩いていかなければならないことを理解したのではないと感じるこの頃の言動です。
 いま、中田宏さんの衣の下には「正義」もあるけど、「現実」もある、という安心感があります。私、こういう「中田宏」を応援しています。